香川のうどん屋で一番面白かったのがここだった。
まず外観である。明らかにうどん屋ではない。野菜とか、花とかが売られている。店の名前も「須崎食料品店」。お分かりいただけただろうか……ここまで、うどん要素一切ナシである……
おそるおそる扉を開くと、中では行列ができていた。内装も、なんだかスゴイ。家の電話はあるわ、テレビはついてるわ、とにかく生活感丸出しなのだ。
そんな、親戚の家ライクなインテリアに圧倒されていると、ホカホカのうどんが手渡される。あっそうか、うどん屋か。なんなんだこの店!
奥に進むと、卵は積んであるし、ネギはタッパーだし、人ん家感が止まらない。もちろん出汁醤油は自分でかける。(慣れてきた)
食料品店なので、店内に椅子とかはない。みんな外に出て、ベンチに座り、うどんを食べている。その光景も、なんだか面白い。我々も店先に腰掛け、ズルッと頂く。うまい。コシがある、太めのうどんだ。山越うどんでも同じ釜玉を食べたけど、こちらの方がシッカリした歯ごたえを感じる。水で締めてないはずなのに、不思議だ。やはり、麺が異常に旨い。
しかし私はこの店で失態を犯してしまった。焦って出汁醤油をかけすぎてしまったのだ。すばらしい麺の味を台無しにするという……痛恨のミス……!!
抜群のコントロールで醤油をキメた友人は、うどん屋巡りでここが一番おいしかったと言っていた。わたしも、いつか最高のコンディションで、このうどんと対峙したい。