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「ぬる湯」温泉の魅力 ~山梨・山口温泉~

昇仙峡(山梨の紅葉スポット)を観光した帰り道。
少し歩いたし、温泉にでも入りたい。

ということで、山口温泉に寄ることにした。
この温泉、ずいぶん「ぬるい」らしい。36.2℃、ほぼ体温と同じ。
アツアツな温泉にしか入ったことがないので、すごく気になった。

ナビに入れて走ること数十分、どんどん住宅街に入っていく。
こ、こんなところに温泉が?と思いつつ到着したのは、
昔ながらの公会堂みたいな建物だった。


温泉……?と、おそるおそる入ってみる。


中も外見と違わぬ、レトロなおもむきだ。
受付では「うちの温泉はぬるいですが、大丈夫ですか」と聞かれる。
そんなにぬるいの~~?逆に楽しみになってきたぞ。ワクワクしながら「はい」と応えた。
入浴料600円を支払って、脱衣所へ向かう。

お風呂は、外湯と内湯の2種類。
内湯に浸かってみると、たしかにぬるい。
普段入っている温泉とは全然違う。
ぬるいプールみたいだ。
正直、入った瞬間はそんなに気持ちよくなくて
「あー普通の温泉にすればよかったかな」という思いがよぎった。

しかしこの温泉、しばらく浸かっていると印象が変わった。
首まで浸かっても熱くないので、全身を包まれてるような心地になってくる。
しかも長く入っていられるので、その心地よさがずっと続く。
30分くらい過ぎたころ、急に眠気がやってきてウトウトしてしまった。
目が覚めたとき、尖っていた神経が丸くなったような、
脳みそが弛んだ感じがして、それがなんとも心地よかった。

ちょっとだけ外湯にも行ってみたが、内湯よりさらにぬるい。
源泉そのままなので、飲泉もできるらしい。
湯口から飲んでみると、少ししょっぱくて、ちょっとだけ鉄の味がした。
そんなことをしているうちに身体が冷えてきて、すごすごと内湯に戻る。

で、なんだかんだ1時間くらい内湯に浸かっていた。
永遠に浸かってられるな……身体が溶け出しそう……とぬる湯でキマる私を見かねて、
一緒に行った姉が「もう飽きちゃった」と耳打ちしてきた。3歳児かな。

脱衣所のドライヤーを借りて髪を乾かす。
先に服を着た姉が「なんか服着たらポカポカしてきた」と言った。
たしかに、出た瞬間は少し肌寒かったのに、
服を着たあと、じんわり身体があたたかくなってくる。
これがぬる湯パワーか。

アツアツじゃないので、入った後に身体が疲れないのもいい。
心地よさにすっかりハマってしまった。
また入りに来よう、山口温泉。