失恋をきっかけにお金のことを考え始めた
28歳、会社員、独身。
それまで、お金のことをあまり考えずに生きてきた。
正しくは、考えなければと思ってはいたものの、面倒くさくて考えていなかった。
当時の私は、5年ほど付き合っていた恋人と別れ「私はこのまま一生結婚しないかも」と感傷に浸っていた(だいたい失恋したときというのは、ものごとを大袈裟に考えがちである)。
一生独り身か、と思ったらなんとなく将来のことが不安になってきた。
資産運用、個人年金、投資信託、株式投資、株主優待、ふるさと納税……
巷に溢れる「なんとなく聞いたことはあるけどよく知らない」、お金に関する言葉たち。
どれが自分に必要なのか分からない。
かといって、ひとつひとつを調べるのは面倒くさい。
お金のことが大体わかるようになる方法ないかな、と思っていたとき
たまたま目にしたのがFP3級資格だった。
FPとは、ファイナンシャルプランナーの略で「資金の計画をする人」を意味する。
いわばお金の専門家である。
FPになるためには、日々の家計管理から、老後の生活設計、社会保険や資産運用など、あらゆる知識が必要なのだそうだ。
これだけ聞くと難しそうだが、3級ならば3ヶ月ほど勉強すれば受かるようだったので、
お金の基礎知識を得るにはピッタリなんじゃないかと思った。
彼氏と会う時間も減ったことだし、やってみるか。
私は約3ヵ月間の試験勉強を始めた。
アラサー会社員の「FP3級 勉強方法」
グーグル先生によると、テキストを一通り読んでから、問題集をやるといいらしい。
仕事から帰った後に1章ずつテキストを読むことにした。
案の定やる気が全く起きない日もあったのだが、サボると翌日のノルマが増えるだけなので、なんとか1日1時間程度、週5くらい勉強していた。
テキストが終わったら、問題集を繰り返しやった。
問題集をやり始めると、最初の方の内容を全く忘れていることに気付いて、最初からテキストを読みなおすハメになったりした。
実際に使って受かった参考書
運転免許以外の資格を取るのは初めてだったので、
ひとまずひとまずFP3級の勉強方法をグーグル先生に聞いて、
Amazonで参考書を購入した。
(意外と高かったので、マーケットプレイスで中古で買った)
FP3級に受かった参考書
どれを買うかすごく悩んだけど、この2冊で問題なく受かったので、悩んでいる方は参考にしてほしい。
①FPの学校3級きほんテキスト
2018.9-2019.5
ユーキャンFP技能士試験研究会
定価:¥1500(税抜)
②うかる!FP3級速攻問題集
2018-2019年版
フィナンシャルバンクインスティチュート株式会社
問題集
定価:¥1500(税抜)
この参考書を選んだ理由は、2点ある。
1.はじめに心が折れないように、テキストはなるべく簡単でとっつきやすいこと
2.テキストにない情報を補える問題集であること
会社勤めでまとまった時間をとれなかったので、毎日少しずつ勉強ができるユーキャンのテキストにかなり助けられた。疲れて帰ってた日でも読める分量になっているのがいい。
問題集は分量が多いので最初は大変だったが、その分やればやるだけ頭に入ってくる。
間違いやすいポイントがまとめられているのもいい。しかも、実際に試験で似たような問題がかなり出てきたので、ありがたかった。
テキストは読みやすく理解しやすいが、
正直なところ、その分内容が薄い。
そこを問題集で補えたので、
結果的にはこの2冊でよかったと思う。
試験と結果
なんやかんや、あっという間に試験当日になった。
学生時代以来、ひさびさの試験というものに緊張しながらも、午前の部と午後の部の試験を終えた。
自己採点では9割ほど正解していたが、合格証書が届くまでは、なんだか不安だった。
数日後、大きな封筒が送られてきた。
なんとなく大学受験のことを思い出した。
当時の私は「どうせ受かるわけない」と合格通知が来る日、昼まで不貞寝していた。
そのとき、おばあちゃんが「大きい封筒が来てるよ!」と2階で寝ていた私を起こしに来た。
昨日のお昼、ご飯を食べているときに「小さい封筒は不合格」だと話していたことを、おばあちゃんが覚えていたのだ。
おばあちゃんの生息地は1階と決まっていたのに(彼女の中でのポリシーなのかもしれない)、その日は頑張って階段を上がってきてくれた。
合格通知が来たことも嬉しかったけど、おばあちゃんが1度も上がったことのない階段を使うほど、喜んでくれていたのが妙に印象に残っている。
そんなこんなで、めでたく大きな封筒が来た私は、FP3級に合格していた。
FP3級を受けてよかったこと
・税金や社会保障など「名前は聞いたことあるけどよく知らない」ことが学べた
・困ったときに申請すれば貰えるお金の存在を知ることができた
・相続に関する知識が得られた
などなど、いろいろあった。
特に社会保障については勉強してよかった。
申請しなければ貰えないお金というのはこの世にたくさんあるのだな……と心底思った。
「知っている」と「知らない」では、貰えるお金に差がつくのだ。
あと相続とかも、これっぽっちも知らなかったので「兄弟の取り分がいくらで」とか具体的なことを知れたのもよかった。
親が亡くなってからこれだけのことを調べるのは、骨が折れそうだ。
FP3級を受けて予想と違ってたこと
・FP3級の知識を自分の生活に活かせるかは自分次第
あくまで基礎と概要を知るための資格なのだな、というのが率直な感想だった。
受けたらすぐ資産運用ができる!とか、
自分のライフプランニングが完璧にできる!とかそういうわけではなかった。
知識が増えたことはいいものの、その知識をどう使うかは自分次第だ。
でも、私は受けてよかった。
「知識を得ることは、遠くを見渡すため」だと聞いたことがある。
布団の上でゴロゴロしながら「お金ってわかんない」と思っていた私が、少し高いところに立って、お金のことを遠くまで見渡せるようになった。
FP3級は、年に3回試験がある。
テキストは合計で3,000円くらい、受験手数料は6,000円と、合計1万円以内で取れる資格だ。
人生のあらゆる場面で、自分を助けてくれる一生モノの知識。
「お金のことを知りたいなー」と思っている方は、軽い気持ちで受けてみてはいかがだろうか。