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美容に興味のないアラサー、カラー診断を受ける

29歳、会社員。
昔からメイクや美容に全く興味がなかった。
高校生の頃は、ショートヘアにすっぴんで過ごしていたが、
「女の子なのだからメイクや美容に興味を持て」というまなざしの声を感じてはいて、
なんとなく居心地の悪さがあった。
大学生の頃からは仕方なくメイクをするようになり、
社会人の今は「最低限のマナー」として続けている。
私にとって、メイクをするモチベーションは「義務感」でしかない。

そんな美容に興味のないアラサーが
12000円でパーソナルカラー診断を2.5時間みっちり受けるに至ったお話である。

結果。
受けて本当によかった!
・服や化粧品の色えらびの時間が短縮できる
・自分の長所に気付くことができた
・通販サイトで失敗しなくなった
・自分に似合うものが分からないモヤモヤから解放された
などなど、受けてよかったことはたくさんあった。

体験レポを書いていくので、
やろうか迷ってる方の参考になれば嬉しい。

そもそもパーソナルカラー診断とはなんぞや。

パーソナルカラーとは?
パーソナルカラーとは、その人の生まれ持った色(髪・瞳・肌)と
雰囲気が調和する色(=似合う色)のことです。
人それぞれ個性が違うように、似合う色もそれぞれ違います。
色相/彩度/明度を軸に{春・夏・秋・冬}の
4つのタイプに分かれます。
https://pierrotshop.jp/f/personalcolor より

つまり、自分に似合う色を教えてくれる診断である。

パーソナルカラーを知ることでこんなメリットが!
似合う色を身に着けることで、肌の透明感が増したり、
健康的に見せることができて印象UPにつながります。
洋服やメイクのお買い物の失敗も減らすことができますよ◎
自分のタイプを知ることで、
本来の自分の魅力を発見するきっかけに。
https://pierrotshop.jp/f/personalcolor より

パーソナルカラー診断は、店にもよるが1回の診断が8,000~15,000円程。
金額を聞いた時は「高っ!」と思ってしまった。

そんな私がカラー診断を受けようと思ったきっかけは、高校時代からの友人O氏だった。
O氏は昔からモノトーンの服が多かったのだけど、その日は鮮やかなラベンダーのカーディガンを着ていた。
リップの色も明るい赤に変わっていて、なんだか雰囲気が違ってみえた。
それらの色が本当によく似合っていて、自然体なのに、すごく魅力が増していた。
「カーディガンもリップも本当にカワイイ〜〜!!!」とはしゃいでいたら、O氏がパーソナルカラー診断を受けたことを教えてくれた。

服と口紅の色。変わったのは、それだけなのに。
色って、こんなにも人の印象を変えるのかと驚いた。

気になって、O氏に教えてもらったお店を調べてみる。
そこはカラー診断だけではなく、
似合うメイクの色を診断してくれる「パーソナルメイク診断」というコースもあった。
最初はパーソナルカラーだけやろうかな、と思っていたのだが、
メイクの色選びに悩むことも多かったので、これを機会にやっちまおうと思った。

パーソナルカラーとメイク両方のコースで、12,000円(税込)。
時間にして約2.5時間。
す、すごい。美容のために、こんなに金も時間もかけたことがねえ。
断腸の思いでホームページから予約をしたが、土日の予約は1ヶ月待ちであった。

そんなこんなでやってきた当日。
ドキドキしながらお店へ向かう。
診断をしてくれるのは、N塚さんという方。
ハツラツとした印象の女性で、優しい雰囲気もあり、緊張が少しほどけた。

まずルイボスティー(おいしい)を頂きながら
「なりたいイメージ」や「服装やメイクで悩んでいること」などを聞かれる。

なりたいイメージは特に思い浮かばず、最低限の清潔感があれば問題なかったので、
ドギマギしながら「さわやかな感じっすかね(?)」などと答える。

次は悩んでいること。
まず服装については、
「いつも似たような色、特に白い服を買ってしまうので、似合う色を知りたいです」
「女の子らしい色味の服が似合わない気がします」
と、手持ちの服の偏りについて相談した。

メイクについては、
「アイシャドウはどんな色をのせても似合わない気がするので、似合う色を知りたいです」
「リップは似合う色がなかなか見つかりません」
「チークの存在意義がいまいち分かりません」
などと話しながら「私の悩みなんてオシャレ上級者であろうN塚さんにかかれば、ググれカスって感じじゃねえか……?」と不安になってくる。
しかし当のN塚さんは、真摯に耳を傾けてくれている(やさしい)。

そして、いよいよ診断が始まった。
大きな鏡の前で、さまざまな色の布を当ててもらう。
最初はどれが似合うのかピンとこなかったが、私の「???」という顔を見たN塚さんが
「似合う色というのは、顔の血色がよく見える色なんです。
瞳の色も輝いて見えますよ」
と教えてくれた。

なるほど、比べてみると違う。
似合わない色を当てると、顔色が悪く見えるのだ。

私の場合は、原色に近い鮮やかな色が、びっくりするほど似合わなかった。
鮮やかな黄色や黄緑なんかを当てると、
顔と服の色の印象がちぐはぐになり「着せられてる感」が出る。
あとやっぱ、顔色が悪く見える。具合が悪そうだ。

逆に、似合う色を当てると、とても健康そうに見えて驚いた。
血色よく見えるのだ。
さらに、顔や目の印象が引き立つ。
私の場合、暗くて濁りのある色、茶色や暗い青や緑などが似合う色だった。

似合わない色と似合う色を交互に当てると、あまりにも違いがはっきり分かるので、
なるほどこれがパーソナルカラーというものか!
と感動した。

何十種類という大量の色を当ててもらい、似合う色が絞られていく。
いよいよ私のパーソナルカラーが出揃った。
それがこちらである。

私のパーソナルカラーは「イエローベース・秋」だった。いわゆるイエベ秋である。
イエベ秋の特徴は、全体的に「濁り」があって「明度の低い色」。
これより暗い色である「黒」も、そこまで似合わなかった。

いやすごい。この出揃った色を見て、めちゃくちゃ納得した。
ずっと服を選ぶ時、なるべく明るく優しい印象にしたくて、
水色やミントグリーンなどの服を探していた。
でも全然しっくりこなくて、女の子らしい色の服って全然似合わん…というのが悩みだった。
N塚さん曰く「服の色でいえば、どちらかというとメンズの色味」とのこと。
白と、暗い色の中間にある「淡い色のゾーン」は、私のパーソナルカラーではない。
そっかーなるほどなーそりゃ可愛い色味の服がしっくりこないわけだ。いやー勉強になった。

あと、N塚さんに「色が変わると、顔の印象がすごく変わりますね」と言われた。
たしかに私が似合う色は、濃くてしっかりした色だったので、
「色のイメージ」が「人のイメージ」に変換さやすいかもしれない(私の顔の印象が薄いせいもある)。
オレンジを当てると健康的で元気な印象だし、青だと落ち着いた雰囲気になる。
これは印象操作にかなり使えるのではないか。
たかが色、されど色。奥が深い。

っていうか、改めて見るとブラウンがすごい幅を利かせてるな。


いや地層か?????

確かに、カバンや靴・アウターは茶系ばかり持っている。
ブラウンは好きな色なので嬉しかった。
いや友人のパーソナルカラーを見せてもらった時こんな感じだったから、

びっくりはしたけど……まさかパーソナルカラー診断きて、地層見るとは……

 

続いては、メイク。待ってましたメイク!緊張がほどけて、なんか元気になってきた。
たくさんの化粧品の中から、試してみたい色を実際につけてもらう。

まずはアイシャドウ。
オレンジはイエベの世界にしかない色、とN塚さんが言っていたので、オレンジをつけてもらった。
これまた健康そうに見えてすごい。顔色が明るく、血色よく見えるのだ。

N塚さん「濃い色のアイシャドウが似合わないと仰っていましたが、濃い色を塗るとなんとなく汚い感じになりませんか?」

ワイ「アッそうです、泥遊びしてきたみたいな」

N塚さん「イエベ秋といえばブラウンやカーキなどの濃い色が似合う、というイメージはありますが、古志さんのお顔立ちだと、濃い色を使わない方が、お顔の印象が明るく見えますよ」

ワイ「顔立ち」

N塚さん「いわゆるフレッシュなお顔立ちです。芸能人で例えると、小西真奈美さんや石田ゆり子さんなどです。ナチュラルメイクの印象がありますよね」

ワイ「こっ…?いっ…!?(全然似ても似つかなくて申し訳ねえと思うが全人類をざっくり4分割したらそういう顔ということなのか?)」
ワイ「たしかに、濃いアイシャドウでしっかりメイクすると、なんか老けます」

N塚さん「そういう方は、5分でお化粧してきました〜みたいな感じがとてもお似合いなんですよ」

ワイ「薄化粧が正義ってことあるんですか……?」

N塚さん「お顔立ちやパーソナルカラーは人それぞれですからね」

ワイ「ヒェ」

私はその時、メイクというものの深淵を覗き込んだ気がした。
アイシャドウは、4色あるパレットを全て使わねばという強迫観念。
メイクは時間をかければかけるほど「よい」という思い込み。
私の中にあった「常識」が、ガラガラと崩れていく瞬間であった。
メイクというものは、女子力とかいうフンワリした言葉で片付けられるようなもんじゃねえ。
知識と経験がモノを言う世界なのだ。
N塚さん、いやN塚師匠、一生ついていきます。よろしくお願いします。

続いてリップ。
「古志さんは唇だけブルベなので、リップコンシーラーを塗りますね」といきなりコンシーラーを塗られる。
そんな局地的ブルベありか!
たしかにリップを塗らないと顔色が悪い。遺伝子レベルでしか修正できないバグ、やめてよ神様。

リップはブラウン系を試してみたのだけど、
やはり顔立ち的に、はっきりした強い色はそこまで似合わなかった。
似合ったのは、オレンジや黄味の強いベージュである。
黄色にガン振りした色だと、顔の印象も明るくなるし、肌も綺麗に見えた。

N塚さん「黄色のリップを重ね付けすることで、似合う色の幅が広がりそうですね」

ワイ「黄色の……なるほど」

黄色のリップなんて上級者が使うもので、私のようなオシャレ初期アバター装備に相応しくないと思っていたが、こうして試してみると必要性しか感じない。

あと、今までベージュのリップが似合ったことない、と思っていたのだけど、
淡い色を似合わせたくば、面倒でも自前のブルベ色を消してから塗れということだったのだな。
リップコンシーラーとか面倒くさくて使ったことがなかったが、
マンツーマンで教わると説得力が段違いなので「やってみよう」という気になる。
リップは同じ色を使い続けるのが悩みだったけど、コンシーラーを使わずに似合わせられる色は限られていたので、普段使いはもうずっと今のでいいやと思った。
休みの日とか、心に余裕がある時に、他の色に挑戦してみよう。

最後にチーク。
「チークの存在意義がいまいち分からない」という疑問は、
先ほどの顔立ち問題でわりと解消されていた。
私の想像していた「ピンクのまんまるチーク」は、フレッシュ顔よりもキュート顔に似合うチークの入れ方なのだ。
そこで、N塚さんがベージュのチークを提案してくれた。

N塚さん「このチークは、肌を上質に見せてくれるんですよ」

ワイ「はい???」

思わず右京さん(テレビ朝日系ドラマ相棒より)みたいなリアクションをしてしまった。
肌が上質になるとは?と半信半疑で、鏡を見る。

ワイ「ヒッ……ほんとなんか、やばいですね」

まじで肌が綺麗に見えて、語彙力を失った。
細かいラメによって、光の当たり方が変わったおかげなのか?
肌が高見えする感じっつーか、たしかに「上質」という表現がぴったりだ。

N塚さん「クリニークのチークは、こういう質感のものが多いです」

クリニーク、聞いたことがあるぞ。
かわいいお花の形して、エグい質感で殴ってくるやつだったんだな。

最後にN塚さんが、似合う色や、使ったコスメなどの情報を手書きでシートにしてくれた。
服や化粧品選びの参考になる。とてもありがたかった。

 

パーソナルカラー診断。
最初は高いなと思ったけど、服や化粧品も色選びを失敗すれば数千円くらいはすぐ無駄になってしまうので、それを回避できると思うと、本当にやってよかったと思う。
なにより、判断に迷わなくなる。これからの人生で服や化粧品の色選びに費やす時間を買うと思えば、むしろ安い。

それから、自分は美容に興味がないなりに、色々と悩んでいたのだな、というのは発見だった。
N塚さんがおっしゃっていた通り、顔立ちやパーソナルカラーは人それぞれ。
今まで服を買いに行く時は「あれは似合わない」「あの色もムリ」と否定的な感情がいつも付き纏っていた。
でも、カラー診断後は「あれ似合うな」「いい地層カラー。いける」「得意な地層」と、かなりポジティブな感情が湧いてくることに気づいた。
自分の強みを知ることって、普段の生活ではなかなかできないことだ。
その経験を金で買うのは、価値のあることだった。

そんなこんなで、色々と新しい服や、メイク道具を買ってみた。

右から3番目のレブロンのリップだけは元々持っていたやつ。
黄色のアイシャドウとリップは、肌が明るく見えるので重宝している。

カラー診断、人生における服やメイクの悩みが、かなり解決できた。
自分をちょっとだけ好きになれた気がする。
迷ってたけど、行ってよかったな。